「蹴りたい背中」「インストール」が有名かと思いますが、この二作品については特に感想はありましぇん。遥か昔、中学生のyumihiko氏が読んだものですからまず記憶に残っていない。し、ストーリー自体もあまり好きではなかった記憶があります。
しかししかし、最近の綿矢りさ女史の作品がなかなか面白い。まぁ、あれですけど?表紙がかわいくて、ページ数少なくて、ピンクのサマンサタバサ(一向に言い慣れない)から出てきそうなジャンルでしょ?と言われたらそれまでですけど?
だけんど、毒が凄い。いくら作品の中とは言え、これ言っちゃっていいの?主人公通り越して「綿矢りさ」出ちゃってない?アワアワ。ってなる。
最近読んだのは、
『勝手にふるえてろ』。
いやいや、西野カナは関係ないです。(え、なに、滑ってないよ)
主人公は、26歳の江崎良香(ヨシカ)。OL。
自分(良香)に思いを寄せる同期(暑苦しい系営業マン)への不満が常に脳内で爆発。
”自分で自慢をふったくせに謙遜されると、頼んでもいないのにあざやかな手つきで手品を披露された気分になる。で、隠された私のコインはどこへいったの?”
”望みどおりの相槌を返してあげたのに、即座に打ち消してくる人、あと企画のことをかっこつけてプロジェクトと呼ぶ人は私は嫌いです。”
こんなことばかりがずっと頭の中ぐるぐるしてるヨシカさん。友達も少ない。
だけど離れて暮らすお母さんとは仲良しで、頻繁に電話でやりとり。
「なんでお母さんとお父さんは結婚したの?」
「そりゃあなんとなくだよ」
「なんとなく?なんとなく好きになって、なんとなく結婚して、なんとなく私を産んだわけ?」
「そうそう」
「もうちょっとまじめに答えてよ」
「でもお母さんはなんとなく結婚しよう、なんとなくずっといっしょにいようと思える相手を見つけられて幸せなだけどねえ」
辺り一面毒が凄いので、そこへこのやりとりはなかなか心に染みます。このお母さんの言葉がきっかけでヨシカさん、ちょっと変わります。ちょっとね。
綿矢りささん、読んでみて下さい。それこそ公共の乗り物等でぼんやり読むのにピッタリです。
次は『しょうがの味は熱い』を読む予定です。
以上、ステルスマーケティングでした。